アート投資のすすめ

アート投資のすすめ

アートは購入できる趣味

多くの日本人にとって、アート/美術というものは、美術館に足を運び、入場料を払って鑑賞するものです。ヴィンセント・ヴァン・ゴッホを始めとした印象派の展覧会には常に行列ができますし、近年であれば伊藤若冲展や草間彌生展も盛況を博しました。また、直島など現代アートを楽しむことができる施設も増えています。

一方で、美術品を買うとなると、どこか大金持ちのみに許された趣味のように思えます。最近話題のジャン=ミシェル・バスキアの作品を123億円で購入したZOZOTOWNの社長前澤友作氏のような、庶民では到底なしえない趣味のように感じます。しかし実際には、美術品の購入は1万円から可能です。もっと言えば数千円で買えることもあります。たとえば、百貨店で個展を行う新進気鋭の若手作家の作品。百貨店で個展を持つほどの実力であっても1号1万円台であることもあり、小さい作品であれば1万円前後で購入可能です。または、セカンダリーを目を向けると、誰もが知っている有名な作家サルバドール・ダリはリトグラフならば3万円、パブロ・ピカソもドローイングであれば数万円で購入可能です。冬物のコートを1着買う程度の気軽さで、有名な作品を家に連れ帰ることができるのです。

アートは投資にもなる

アートは紙幣に似ている

美術品は紙幣に似ていると、アート投資に詳しい人は言います。

紙幣の製造原価はたったの数十円ですが、1万円の価値を中央銀行が担保し、その価値を皆が信じるからこそ福沢諭吉は1万円の価値を持ちます。美術品も同様です。1万円の価値があると信じる人がいるからこそ美術品は価値を持ちます。もっと踏み込めば、紙幣よりも、価値を担保する人が誰もいない分、仮想通貨や証券に近いかもしれません。ある作品の価値を感じる人が増えれば増えるほど、その作品の価値は上がります。価値が高騰した作家として例に挙げられる草間彌生のシルクスクリーン作品のオークション落札価格は2011年から2016年の間に10倍の価格になりました。

法人にとっては税務上のメリットがある

また、美術品は100万円未満の場合、減価償却資産として認められます。つまり、購入者が法人または事業所得のある個人であり、かつ事業用に美術品を使用している場合においては、減価償却によって8年間税制上のメリットが受けられることになります(詳細は国税局のサイトを参照ください)。

保有している間楽しい

株式投資に優待という楽しみがあるように、アートは飾って楽しいという最も大きなメリットがあります。それだけでなく、アートを購入する人自体が限られているため、地下アイドルとファンほどに作家とファンの距離は近いです。素敵だと思う作品を作る作家と話をすることも珍しくはありません。

筆者は特に、株式投資が職業上制限されている方(証券会社やコンサルティング業の方)にこそ、美術品への投資を勧めたいと思っいます。若手の作家、あるいはセカンダリーで価値が上がっている作家を発掘し、その値上がりを予測するプロセスは株式投資と同様の鑑識眼が必要でありながら、株式のように制約を受けることがありません。筆者がアート投資を始めたのも、M&Aアドバイザリーの会社に勤めていた時でした。

アート投資の方法

アート投資の方法は大きく分けて二つあります。筆者はこれを「ベンチャーキャピタルスタイル」と「トレーダースタイル」と呼んでいます。二つの投資方法について以下で詳しく解説していきます。

若手作家の作品の購入【ベンチャーキャピタルスタイル】

まず一つ目は、ベンチャーキャピタルスタイルの投資方法です。若手作家の作品をプライマリーで画廊から購入し、値段が上がった頃にオークションや画廊に売却する方式です。もちろん全ての作家が後々値上がりするとは限りません。しかし、ベンチャーキャピタルがほんの一部のイグジット(IPOやM&A)に成功した投資先からの収益で利益を上げているように、投資した作家の一部が値上がりしさえすれば十分に利益を上げることができます。なぜなら、値上がりする作家は購入時の数十倍の価格でセカンダリーマーケットで売却できるからです。1人の作家でイグジットできれば十分利益が上がります。

若手作家の探し方

若手作家、作家志望と呼ぶべき美大生(美大卒)の若者を含めると星の数ほどになりますが、画廊によるプロデュースを受けており、コンスタントに展覧会に参加している若手の作家となると一気に数が限られます。ベンチャー投資で言えば、シードAレベルといったところでしょうか。

若手作家を探す方法としては、やはり作家を取り扱っている画廊の展覧会を回って情報を得ることが正攻法だと思います。また、百貨店などで若手作家の作品を一同に集めた展覧会が模様されることがあったり、三菱商事が若手作家の支援プログラムとしてチャリティーオークションを行っています。そのようなイベントに参加する作家は、IVSのようなビジネスコンテストで最終選考まで残ったベンチャー企業と同じです。伸びると専門家に認められた作家を効率よく作家を探すことができます。

インターネットで探す場合、Twitterで気に入った作家をフォローしておくと、作家同士で横のつながりがあるため、似たテイストの作家の情報が流れてくることがあります。好きな作家を新たに探すことにつながります。

また、雑誌アートコレクターズでは、毎年「完売作家」(展覧会で完売した作家)の特集が持たれます。Forbesの新進気鋭のベンチャー企業特集に近いものです。作品の価格から、扱っている画廊まで、必要な情報は全て手に入れることができるので、一度チェックしてみてください。

ベンチャーキャピタルスタイルのアート投資のメリット

プライマリーで作品を購入するということは、本物を必ず購入可能だということです。セカンダリーマーケットでは、どうしても偽物の購入リスクを排除できません。しかも、多くの場合、展覧会に行けば作家と直接つながり、話をすることができます。購入すれば、覚えてもらえることもあります。製作時のエピソードを聞いたり、場合によってはリクエストをして自分好みの作品を作ってもらうことも可能です。プライマリーで作品を購入するということは、作家を直接支援するということにつながります。自分が良いと思う作家の作品が、この後も続けて世の中にで続けることに貢献することができるのです。

 

有名作家の作品の購入【トレーダースタイル】

二つ目の投資方法は、筆者がトレーダースタイルと呼ぶものです。上場企業の株をトレーディングするように、すでにセカンダリーマーケットに多く出回っている作家の作品を購入し、値上がりしたところで手放す方法です。購入も販売も、セカンダリーを取り扱っている画廊かオークションで行います。

トレーディング向きの作家の探し方

トレーディングスタイルの投資を行う場合、市場に多く出回っており、評価されている作家を探すことになります。効率的に探すためには、オークションの落札結果を調べることが効率的だと思います。多くの作家が一覧で見ることができますし、相場観もわかります。また、In Artでは各作家ごとの価格の上がり下がりについて分析を行っておりますので、ぜひ気になる作家の記事を参考にしてみてください。

トレーダースタイルのアート投資のメリット

トレーダースタイルのアート投資のメリットとしては、手堅い投資だということです。評価が定まった過去の作家であれば価格の変動は景気変動と連動しています。ETFを買う時のようにある程度投資対効果の予測が立てられます。もちろん、作品の価値が下がることはありますが、オークションに出品されているような作家であれば0円になることはほとんどありません。また、流動性が高いので容易に現金化かのうです。

アートを購入できる場所

アートを購入する場合、画廊や百貨店、オークションで購入することがほとんどでしょう。下記のリンクから探すことができますので探してみましょう。

 

アートの保管方法

アート、特に絵画や彫刻の保管方法について紹介していきます。

絵画を購入した場合、必ずUVカットのアクリルを使用した額に入れましょう。ZOZOTOWNの前澤友作社長は、額に入れずに高価な絵画を飾っていますが、あれは太陽光が入らないように考慮された場所に飾っているからこそなせる技です。普通の部屋で同じことをすると日焼けし、劣化します。プライマリーの場合、購入した画廊で額装も依頼できることがほとんどです。また、額屋さんは全国にありますので好みの店を探しましょう。

保管庫としては、寺田倉庫などが美術品専門の倉庫を取り扱っていますが、量が多くなければトランクルームで十分です。また、風通しが良く日の当たらない場所であれば自宅で保管することももちろん可能です。

最後にアート投資に興味を持たれた方へ

In Artでは、作家のオークション相場に関する分析や、展覧会情報などを随時更新しています。ぜひ記事をチェックしてみてくださいね。記事一覧はこちらから。